まごころのつぼみ(9)

今年90代後半の利用者Yさん。
先日は胃の不調を訴えられ市内の病院へ検査入院されました。

結果は、末期のガン。各所への転移も見られ、年齢からも手術はせず、このまま残った人生をなるべく負担少なく生きていけるように!とのご家族の判断ということになりました。

先日、入院しているYさんより『会いたい』との伝言をご家族から聞き、いても立ってもいられずお見舞いに行きました。たd、ご家族からは『本人には告知していませんから病状については言わないでください』とのことでした。

会いに行ったときのYさんの様子は、ほとんどお変わりなく、いつも通り優しい笑顔に気さくな声かけでした。事情を聞いている私はこぼれそうになる物をこらえながらなるべく普通にお話しました。ただ、なんと声をかけてよいものか分からず・・・・。するとYさんから『ずっと言おうと思っていたのよ。ありがとう。』とのこと。さらに『この間から東京から孫や会いたいと思っていた人とみんな会えた。多分、そろそろお迎えが来るのね』とのこと。

病室を出てしばらく言葉を失いましたが、ただただYさんにはこれまでこちらが介護をしていたということではなく、反対に支えられていたのだなと感じると共に、この思いを次の仕事への糧にしてがんばっていこうと思いました。

お別れが出来たかどうか分かりませんが、残された日々をどうか心安らかにお過ごしくださることを心よりお祈り申し上げます。
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『まごころのつぼみ』は、介護と言う仕事は、スキルよりもメンタル!と思っている私がず~っとあたためていた『スタッフと利用者さん、あるいは利用者さんと利用者さん、もしくはスタッフとスタッフなどの心の通い合う様子をどんどん公開していきたい』という思いを形にしたものです。
不定期ですが出して行きたいと思います。

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